十一面観音 どんな願い事も聞いてくれて、それに応じてお導きをする
不動明王 智慧は道を切り開く刀となる。戒めが理想を現実にする要となる
虚空蔵菩薩像 二徳円満といって智慧と福徳をお授けする
観音様について
観音様は願い事を立てる人々のための仏様で、特に千倉観音は10年先の円満と100年先の繁栄のためにつくられた十一面観音像です。
富士山宝永大噴火・元禄大地震・疫病など日本国が危機的状況に陥る度に観音様と共に日本全国の巡礼や廻国を行なっておりました。現在は山車に乗せられ、子どもたちによる市中巡行が年に1度開催されています。
昨今では高徳院創建1300周年開山500年を記念して、十数年かけて京都〜千倉の長距離巡行の準備を行っています。準備というのは、まず千倉〜京都までの片道を歩くという前行という修行のことです。
令和元年に京都に向け千倉〜日本橋までの150kmを歩いた時点で、彼のマスコミを賑わせるほどの令和元年台風の復旧活動にて一時中断し、さらに新型コロナウイルス感染症(COVID‑19)の疫病災害により延期を余儀なくされ現在に至ります。
今後は、再び京都に安置されている千倉観音像を700km歩いて、引き車で「お前立ち観音」と共にお迎えにあがる予定です。
今も昔もリアルに市中を歩き、命がけで100年先の万民豊楽を祈るためにつくられた千倉観音様にご参拝いただけば、10年先の円満と100年先の繁栄の作り方についての法話が聞けますのでぜひお越しください。もし街中で歩いている姿を見られたら、どうぞお声掛け・お参りください。
千倉観音
1250年前から観音像と供に幾度も全国各地を歩く「廻国修行」(かいこくしゅぎょう)が行われてきました。
廻国修行を行った先人達は初老が多く、滑落や飢餓によって幾人かの尊い犠牲を出しながらも子々孫々に形無き尊い背中を、命がけで送り示すため「悪疫鎮静」「万民豊楽」「国家安泰」等々、時世に合わせた途方もなく大きな大願をかかげ歩き続けたと伝えられています。
「私たちはその尊い一途な背中に恥じない生き方ができているでしょうか?」
今、再び180㎝の観音像が彫り始められ、「千倉観音」と名付けられ、参拝者の願いを書いた「願い札」を体内に納めています。願い札の数だけ彫り上げられますので、この数百年に一度の善き縁に願い事を書きに御参拝ください。
現在の願い札の数4233
不動明王
智慧は道を切り開く刀にして、戒めは理想を体現する要(かなめ)也
背中の炎は悪業を灰燼(かいじん)に焼き尽くし、行者の頂(いただき)に智慧の蓮華(れんげ)を運ぶ
さまざまな伝説が語り継がれる不動明王は、平成31年に修復を試みたとき、お体のクリーニングが行われ鮮やかな金・赤・紫の袈裟の色彩がよみがえったことで修復が中断されました。
絵の具の時代を調べられたところ500年以上前の絵具であることが判明しました。
古文書によると、里見八犬伝で有名な里見氏が必勝祈願をした時期と一致しています。
眼には水晶が入っていて、祭壇から降ろすと炎が赤い塊に見えるほどで、背中の光背は生き物のようにリアルに煩悩を焼き尽くす炎が表現されています。
祭壇にお祭りすると参拝者が見上げる角度になりますのでお体を見ることができます。作者の技法レベルの高さが伺えます。
虚空蔵菩薩
高徳院は聖徳太子ゆかりの里見氏の国宝である虚空蔵菩薩を里見氏から授かった記録があり、昔は比叡山・清澄山と高徳院の三尊は日本三大虚空蔵といわれました。
普通は一つの仏が一つの御利益なのに対して、一遍の参拝で「智恵」と「福」が授かる二徳円満の御利益があるといわれています。
これは高徳院に伝わる、
「生家境涯(せいかきょうがい)が選べぬ者も
知恵を以って道を成すに平等
智恵が福を招くもまた一切が皆平等なる哉」
〜生まれや人生を選ぶことができないのが人なれど
智恵が人生を切り開くことは平等で 智恵が福を招くことも平等〜
という教えに繋がるものです。
志を持つ若人や受験生にご利益があり、福の神ということで家族の厄除けを頼む方々も多く、節分には地域主催の祭礼があり、川口村と呼ばれた頃から地域(川口区)が主体となり出店などでにぎわいを見せ、今でもお札を求める行列ができます。特に丑年・寅年に御利益があります。